2017年2月12日日曜日

『LIFE!』 -つぐづく幸せな気分になれる映画

 ブログ開設の直前に観た映画だ。素晴らしく面白かったのだが、今、テレビで観ても同じように感じるものか。

 いやあ素晴らしかった。楽しかった。感動した。
 冒頭の母親や妹のトラブルを処理してからのお見合いSNSの描写から、もう既にうまい。思い切って「ウィンク」ボタンをクリックするまでの躊躇いと、思い切ってクリックするドキドキ、なのにシステムにはじかれてしまう肩透かし、ともう絶妙な描写にニヤニヤしてしまう。
 この、「思い切って」がその後エスカレートしていく。平凡で地味な仕事をしている冴えない中年男という設定の主人公が、見つからない写真のネガを探してグリーンランドに行き、あまつさえ酔っぱらい男の操縦するヘリコプターに離陸寸前で飛び乗り、北の海に飛び込んで鮫と戦う。一度ニューヨークへ帰ってから、もう一度アフガニスタンからヒマラヤへ。軍閥の族長が銃剣で貫いて食べる母親のオレンジケーキや、ヒマラヤのシェルパたちとの草サッカーなど、端々に「うまい」と感嘆することしきり。
 アイスランドの火山の裾野の草原をスケートボードで滑走する爽快感と開放感は快感と多幸感に満ちていたし、そこで火山が噴火してしまうスリルは映画的高揚感いっぱいだった。
 それでも、もっとも感動的なのは、長い冒険の果てに訪れる「青い鳥」的日常讃歌である。結局、日常的な「地味な」仕事の価値を最大限、他人から認められ、感謝される、という結末に、しみじみと幸せな気分に浸されて見終われる映画なのだった。娘も「こういう映画が観たかったんだよ!」とこの感じ方に太鼓判を押してくれた。

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